仕分け!
行政刷新会議の仕分けがありましたが,研究者のはしくれとしてショックですね.
プロセスが見える分,こんなに簡単に切られるのかとショック.民主党は科学政策にはうといと感じていましたが,(それ以前に日本には理系議員が数えるほどしかいない,その殆どが医学部出身)さてどんな政策を打ち出してくれるのかと思っていたらまず削減!内容をきちんと理解した上での仕分けかどうか微妙だし.科研費についても削減を求めるのではなく,内容,使い方を大幅に変え,機械を買うよりも人(若手研究員)を使いやすくするようにすればポスドクの流れができてポスドク問題も少しはましになるのではと思うんだけど.体重増えたので脂肪を減らす努力より体重減らすために腕切ったという風に見える.
科学政策ニュースクリップのブログに下記文章が掲載されてました.また,ブログ内の科学者も行動を起こしていかなければならないという意見にも全面的にに賛成です.私たちもかわらねばならないまさに転機だな.黒船きたーてな感じ?.
ききかじりですが,アメリカでは一般の人に理解されない研究というのはやはりお金がつかないのでアウトリーチに非常に熱心だそう.その熱心さが,一般の人の科学に関する知識も深いものにしているんだろうと思える.伝える手法に関する研究というのまであって,学会ではひとつのセッションができるくらい(超有名学会). こういう時がかならず来ると思っていたけれど,いきなり来たなー.
ああ,でもますます日本に帰れなくなったなあ,,,,,
それに台湾の優秀な学生さんが「日本の研究所で研究したいんだ」と言っていたけどそれも難しくなるだろうな.私が日本の頭脳とは1ミリも思ってないけど,日本の頭脳海外流出+海外からの優秀な頭脳の流入制限を真近で見て,日本の将来どうなるんだろうかと呑気な私でも心配だよ.
↓↓科学政策ニュースクリップが民主党に送った意見を添付してます↓↓
行政刷新会議で、科学技術関連予算が減額されたことについて、意見を述べさせていただきます。
まずはじめに、仕分け作業を私たち市民に開放し、リアルタイムで見ることができるようになったことを、高く評価いたします。
行政刷新会議の事業棚卸しに関して、科学技術予算の縮減、見直しという決定がなされたことを、深く受け止めています。
ご指摘の通り、昨今の厳しい財政事情の中、科学技術予算だけが「聖域」であるはずはなく、予算の効率的使用に関して厳しい目が向けられるのは当然です。
科学技術予算に関しても、特定研究者に集中した非効率な予算配分、使われない実験機器が購入されるという無駄使いといった、様々な問題点が指摘されてきました。今回の事業棚卸しにて、このような非効率な予算の配分を見直すべきであるという意見が出たのはまっとうなことであると考えます。
また、たとえすぐには利益をもたらさない研究予算であっても、その効果に対して厳しい目が向けられるのも当然です。国民の税金を使う以上、どのような成果がもたらされたのかを測り、分かりやすい言葉で説明することは不可欠なことです。
しかしながら、私は、仕分け作業が、現場の研究者に大きな失望を与えたことを、深く憂慮しています。
研究者たちは、今回の仕分け作業の結果を、短期的な利益がもたらされない純粋基礎科学研究は不要である、若手研究者に対する支援はいらない、というメッセージと受け取りました。もはや我が国では科学研究をすることが許されていないと考え、深く失望しています。
こうしたことが、日本の科学技術の将来に取り返しのつかない影響を与えたのではないかと危惧しています。
もちろん、科学者も反省しなければなりません。「科学技術創造立国」の掛け声のもと、科学技術予算が無条件で増額されることに慣れ切っており、いわばぬるま湯につかるように、研究の意義を社会に説明することを怠ってきたと言わざるを得ないのは事実です。
研究費が税金であることを忘れ、研究費を他の手段で得る努力が足りなかったと言えるでしょう。
そして、論文や特許といった、いわば「業界内」に向けた成果の発信こそ科学者の使命であると考え、一般市民が科学技術の情報を得る最大の情報源であるはずの新聞、雑誌、テレビ、書籍等のメディアへの情報発信を軽視ししてきたのも事実です。
国民の目線で科学を語ることを忘れ、国民の声を聞くことなく、狭い業界内でのみ通じる言葉で語ってきた科学者は、大いに反省すべきでしょう。
しかし、すぐには、あるいは永遠に、産業的に役立たない純粋科学研究が、社会にもたらした効果を軽視するのは問題ではないでしょうか。
生命や宇宙の謎を解き明かし、新しい知識をもたらしてくれる科学は、産業化はされないけれど、私たち人類がどこから来てどこへ行くのかという、いわば人類の根源的な問いを考える材料を提供してくれます。
純粋基礎科学は子供や若者の興味を喚起し、将来の科学技術を担う人材が、理工系の学問を志すきっかけを与えてくれます。鉱物資源、石油資源の乏しい我が国にとって、こうした人材が、たとえ純粋基礎科学研究を志さなくても、産業や教育といった分野を担う人材になります。
不況であり、人の生き死にや貧困問題の方が優先されるべき、というのはその通りです。産業に役立つ研究を優先させるべき、という声はもっともです。
しかし、すべての研究分野に研究者がいるのは、日本、アメリカ、ヨーロッパだけであると言われています。日本が基礎科学研究を行うことで、全人類が新たな知識を得ることができています。これは人類に対する大きな貢献、国際貢献と言えるのではないでしょうか。発展途上国から日本の科学研究が羨望の目で見られていることを忘れてはいけません。
純粋基礎科学研究を担う役割をやめる、というのも確かに国が取るべき選択肢の一つでしょう。産業応用だけに特化し、先進国の後を追い、製品化だけを考えるのも一つの方法です。
ただ、それは日本が先進国であることをやめる、いいかえれば、人類に対する貢献をやめるということでもあります。そして一度やめてしまったら、そこで人材は途絶え、もう一度復活させようにも長い時間がかなるでしょう。優れた人材は国外に流出し、他の国を潤すことになるでしょう。
それが日本の総意だとしたら従うしかありません。しかし、本当にそれでよいのか、国民とじっくり対話してから決定していただきたいと存じます。
金の卵を産む鵞鳥を、お腹がすいたからと言って食べてしまえば、もう金の卵は手に入らないのです。
財政難の中、いかにこの国を維持していくべきかを考え、大変苦渋の決断をされていることに対し、心より敬意を表します。
その上で、未来の科学、未来の日本、そして未来の人類がどうあるべきか、どこへ進むべきかということを考えた決断をされることを、心より祈念いたします。
プロセスが見える分,こんなに簡単に切られるのかとショック.民主党は科学政策にはうといと感じていましたが,(それ以前に日本には理系議員が数えるほどしかいない,その殆どが医学部出身)さてどんな政策を打ち出してくれるのかと思っていたらまず削減!内容をきちんと理解した上での仕分けかどうか微妙だし.科研費についても削減を求めるのではなく,内容,使い方を大幅に変え,機械を買うよりも人(若手研究員)を使いやすくするようにすればポスドクの流れができてポスドク問題も少しはましになるのではと思うんだけど.体重増えたので脂肪を減らす努力より体重減らすために腕切ったという風に見える.
科学政策ニュースクリップのブログに下記文章が掲載されてました.また,ブログ内の科学者も行動を起こしていかなければならないという意見にも全面的にに賛成です.私たちもかわらねばならないまさに転機だな.黒船きたーてな感じ?.
ききかじりですが,アメリカでは一般の人に理解されない研究というのはやはりお金がつかないのでアウトリーチに非常に熱心だそう.その熱心さが,一般の人の科学に関する知識も深いものにしているんだろうと思える.伝える手法に関する研究というのまであって,学会ではひとつのセッションができるくらい(超有名学会). こういう時がかならず来ると思っていたけれど,いきなり来たなー.
ああ,でもますます日本に帰れなくなったなあ,,,,,
それに台湾の優秀な学生さんが「日本の研究所で研究したいんだ」と言っていたけどそれも難しくなるだろうな.私が日本の頭脳とは1ミリも思ってないけど,日本の頭脳海外流出+海外からの優秀な頭脳の流入制限を真近で見て,日本の将来どうなるんだろうかと呑気な私でも心配だよ.
↓↓科学政策ニュースクリップが民主党に送った意見を添付してます↓↓
行政刷新会議で、科学技術関連予算が減額されたことについて、意見を述べさせていただきます。
まずはじめに、仕分け作業を私たち市民に開放し、リアルタイムで見ることができるようになったことを、高く評価いたします。
行政刷新会議の事業棚卸しに関して、科学技術予算の縮減、見直しという決定がなされたことを、深く受け止めています。
ご指摘の通り、昨今の厳しい財政事情の中、科学技術予算だけが「聖域」であるはずはなく、予算の効率的使用に関して厳しい目が向けられるのは当然です。
科学技術予算に関しても、特定研究者に集中した非効率な予算配分、使われない実験機器が購入されるという無駄使いといった、様々な問題点が指摘されてきました。今回の事業棚卸しにて、このような非効率な予算の配分を見直すべきであるという意見が出たのはまっとうなことであると考えます。
また、たとえすぐには利益をもたらさない研究予算であっても、その効果に対して厳しい目が向けられるのも当然です。国民の税金を使う以上、どのような成果がもたらされたのかを測り、分かりやすい言葉で説明することは不可欠なことです。
しかしながら、私は、仕分け作業が、現場の研究者に大きな失望を与えたことを、深く憂慮しています。
研究者たちは、今回の仕分け作業の結果を、短期的な利益がもたらされない純粋基礎科学研究は不要である、若手研究者に対する支援はいらない、というメッセージと受け取りました。もはや我が国では科学研究をすることが許されていないと考え、深く失望しています。
こうしたことが、日本の科学技術の将来に取り返しのつかない影響を与えたのではないかと危惧しています。
もちろん、科学者も反省しなければなりません。「科学技術創造立国」の掛け声のもと、科学技術予算が無条件で増額されることに慣れ切っており、いわばぬるま湯につかるように、研究の意義を社会に説明することを怠ってきたと言わざるを得ないのは事実です。
研究費が税金であることを忘れ、研究費を他の手段で得る努力が足りなかったと言えるでしょう。
そして、論文や特許といった、いわば「業界内」に向けた成果の発信こそ科学者の使命であると考え、一般市民が科学技術の情報を得る最大の情報源であるはずの新聞、雑誌、テレビ、書籍等のメディアへの情報発信を軽視ししてきたのも事実です。
国民の目線で科学を語ることを忘れ、国民の声を聞くことなく、狭い業界内でのみ通じる言葉で語ってきた科学者は、大いに反省すべきでしょう。
しかし、すぐには、あるいは永遠に、産業的に役立たない純粋科学研究が、社会にもたらした効果を軽視するのは問題ではないでしょうか。
生命や宇宙の謎を解き明かし、新しい知識をもたらしてくれる科学は、産業化はされないけれど、私たち人類がどこから来てどこへ行くのかという、いわば人類の根源的な問いを考える材料を提供してくれます。
純粋基礎科学は子供や若者の興味を喚起し、将来の科学技術を担う人材が、理工系の学問を志すきっかけを与えてくれます。鉱物資源、石油資源の乏しい我が国にとって、こうした人材が、たとえ純粋基礎科学研究を志さなくても、産業や教育といった分野を担う人材になります。
不況であり、人の生き死にや貧困問題の方が優先されるべき、というのはその通りです。産業に役立つ研究を優先させるべき、という声はもっともです。
しかし、すべての研究分野に研究者がいるのは、日本、アメリカ、ヨーロッパだけであると言われています。日本が基礎科学研究を行うことで、全人類が新たな知識を得ることができています。これは人類に対する大きな貢献、国際貢献と言えるのではないでしょうか。発展途上国から日本の科学研究が羨望の目で見られていることを忘れてはいけません。
純粋基礎科学研究を担う役割をやめる、というのも確かに国が取るべき選択肢の一つでしょう。産業応用だけに特化し、先進国の後を追い、製品化だけを考えるのも一つの方法です。
ただ、それは日本が先進国であることをやめる、いいかえれば、人類に対する貢献をやめるということでもあります。そして一度やめてしまったら、そこで人材は途絶え、もう一度復活させようにも長い時間がかなるでしょう。優れた人材は国外に流出し、他の国を潤すことになるでしょう。
それが日本の総意だとしたら従うしかありません。しかし、本当にそれでよいのか、国民とじっくり対話してから決定していただきたいと存じます。
金の卵を産む鵞鳥を、お腹がすいたからと言って食べてしまえば、もう金の卵は手に入らないのです。
財政難の中、いかにこの国を維持していくべきかを考え、大変苦渋の決断をされていることに対し、心より敬意を表します。
その上で、未来の科学、未来の日本、そして未来の人類がどうあるべきか、どこへ進むべきかということを考えた決断をされることを、心より祈念いたします。
by katsuragisan
| 2009-11-17 15:05
| どーでもよくないこと
退院後(大学院卒業後)の日々あれこれ
by katsuragisan
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